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闇の箱

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□ 『研修』 □

『研修』 07 ユーズド(8)

 不由実さんの姿がなくなってから二ヶ月後、ご主人様が新しい子をお買い求めになられました。わたしには初めての後輩ができて、わたしは“買ったばかりの子”ではなくなりました。

 その日、ご主人様のお供をしたのはわたしではなく、憂子ちゃんでした。
 ご主人様は、お出かけになるときは必ず、わたしたちの誰かを連れて行かれます。お友達とのおつきあい…つまり、えっちのあるパーティーのときはもちろん、お仕事の日もです。お仕事のときは、わたしたちはご主人様の会社の部屋や車のなかで、ご主人様がお戻りになるのを待っていなくてはなりません。ひとりでいるのは、とても寂しくて、哀しくなります。わたしのことは、秘書さんや運転手さんはもちろん知っているのですが、だからといって話し相手になってもらうわけにもいきません。館にいれば、みんなと一緒にいられるのになと思ってしまうこともあります。でも、疲れてらっしゃるご主人様をお慰めできるのはわたしだけなんだと思うと、まだかなと弾むような気持ちになります。そんな時に一番、わたしってほんとうにご主人様の奴隷になっちゃったんだなーと思うのです。
 だから逆に、ご主人様たちをお見送りして、わたしたちだけで館にいるときは、それなりに楽しく過ごしているのですが、やはりどこか寂しいものがあります。そして、メイドさんから、まもなくご主人様がお戻りになられますと教えていただくと、玄関の扉を開けて待っていたいくらいの気持ちになるのです。

 その日は、ご主人様のお帰りが遅く、深夜を過ぎてもまだお戻りになりませんでした。わたしたちは、夜遅くまでご奉仕することが多いので、夜更かしには慣れているのですが、それでも少し眠くなってきた時間でした。メイドさんがやってきて、憂子ちゃんからの電話だと受話器を渡してくれました。

「もしもし、憂子ちゃん?」
『…香子ちゃん?』
「うん。どうしたの、珍しいね?」
『ご主人様が、電話しておきなさいって仰ったの。これから帰ります。…3人で』
「え。…3人?」
『ええ。今夜、ご主人様が、新しい子をお買いになったの…。だから、3人で帰ります。みんなでお部屋の支度をしておいてね』
「う、うん。わかりました…」
『よろしくね』
 電話は憂子ちゃんの方から切れました。わたしは、聞いたことの意味がよくわからなくて、ちょっと呆然としてしまいました。ですが、
「ねえ、今の憂子ちゃん?」
 いつの間にか、操さんが側に来ていました。操さんは、不由実さんがいなくなってから、わたしたちのなかで一番年上のお姉さんでした。
「え、あ、はい。そうです」
「3人、って聞こえたけど…」
「はい。新しい子をお買いになった、って…」
「そう…」
 力なく呟いて、操さんは俯きました。新しい子が来る。それは…。
「操さん…」
 わたしは、何て言っていいのかわからなかったけれど、それでも何か言いたくて口を開きました。でも、
「ありがとう、香子ちゃん」
 操さんはすぐに、わたしのを方を向いて笑って、ありがとうって言ってくれました。そして手を打ち鳴らして、リビングにいたみんなに声をかけました。
「さあ、みんな。ご主人様が新しい子を買われたわ。お部屋の支度よ」
 すると、みんなが弾かれたように立ち上がって、ご主人様の部屋の方へ向かいました。
「わたしたちも行きましょ」
 操さんが、わたしの手を取って、扉の方へ踏み出しました。わたしは後に続いて歩きました。
「香子ちゃんは初めてよね」
「は、はい…」
「あなたが来たときも、こんな感じだったのよ」
 そう言って操さんは楽しそうに笑いました。

 わたしたちは、ご主人様の部屋を“初夜”にふさわしいムードに整えると、続き部屋に下がりました。今夜は、ご主人様のお出迎えには出なくていいのだそうです。そういえば、わたしが初めてこの館に来たときも、誰の姿も見ることもないまま、そのままご主人様に連れられて部屋に入ったのでした。
「新しい子との“初めて”の時は、ご主人様はふたりきりでなされるの。新しい子が緊張しているのを、ゆっくり解きほぐしていって、じっくりと処女を破るのを楽しまれるのよ。新しい子も、“初めて”のときくらいは、ふたりきりで存分に可愛がっていただく方がいいでしょう。だから、今夜はわたしたちはおあずけなの」
 操さんは、わたしの隣に座って、説明してくれました。
「おあずけ…ですか」
「そうよ。おじゃまなのよ」
「おじゃまなら…なんで」
「え」
「なんで…ここで観るんですか?」
 わたしたちが今いる部屋は、ご主人様の部屋からの続き部屋のひとつです。もうひとつの部屋は、クロゼットや小さなバスルームがあって身支度ができるようになっていて、わたしたちもよく使うのですが、こちらの部屋に入るのは初めてでした。 
 こちらの部屋は、何というか、納戸のような部屋でした。それなりに広くて、調度品も隣と同じくらい立派なものでしたが、シーツやお布団の替えが置いてあったり、お掃除の道具がしまってありました。おそらく、メイドさんたちしか入らないのではないかと思ったのですが、その部屋の一角には、納戸と言い切れないものがたくさん置いてありました。
「だって、終わったら、新しい子のお世話をしに行かないといけないでしょ」
「だからって…」
 部屋の隅には、いくつものテレビが並んでいました。テレビだけじゃなくて、たぶんビデオも。他にも何に使うのかわからない機械もたくさんあって、まるでテレビ局のように積まれていました。その前には、そのテレビが観られるように、まるで会議室のようなテーブルセットが置いてありました。わたしたちはそこに腰掛けて、テレビを観ていました。そのテレビには、隣のご主人様の部屋と、地下の調教部屋の様子が映し出されていました。
「全部…観られてたんですか」
「そうよ。香子ちゃんの“初めて”のときも、昨晩のご奉仕もね」
「えー…」
 わたしは真っ赤になってしまいました。初めての時は、ご主人様は優しくしてくれましたが、すごく痛くって、子供のように泣いちゃったのです。それが全部…。
「香子ちゃんの時は、すごかったねえ…」
「うん、わたしが知ってるなかでも、一番痛がってた」
 みんなから口々に言われて、わたしは何も言えなくなってしまいました。そんなわたしの肩を抱きよせて、操さんが頭を撫でてくれました。
「本当は、記録用なのよ」
「…記録ですか?」
 私は首を傾げて、操さんの顔を見上げました。
「そう。ご主人様が、奴隷を飼うようになったときに、記録しておくと何かと役に立ったり、後で観て楽しかったりするって、お友達に勧められたそうなの。だから、この館を建てたときに、設備を作ったんですって」
「でも、ご主人様がこういうのを観ているのをみたことないでしょ」
 わたしよりも年下の子が、画面を指さして言いました。
「う、うん」
「こんなのを観て思い出さなくても、わたしたちがいつも一緒にいてご奉仕して差し上げてるから、必要ないのよ」
 わたしよりも一つ上のお姉さんが、にっこり笑って言いました。その後を操さんが引き取って
「でも、一度撮り始めたのを止めるきっかけや必要もなくて、そのまま使い続けているの。メイドさんたちが整理してくれているから、よく調べれば、誰のいつのご奉仕まで調べて観られるんだけれど、誰もそんなことはしないわ」
「それって、すごい無駄ですね…」
 わたしは正直に思ってしまった。
「うん、でも無駄なことなんて、他にもいっぱいあるじゃない。いつか無駄じゃなかったって思うときに役に立てばいいのよ」
「役に立てようと思えば、できるのよ。カメラは固定だけど、いくつものカメラが色んな角度から撮ってるから、ご奉仕の技術を勉強することもできるわ」
「でも、直接教えてもらった方が早いから、誰もやらないけどねー」
「あとは、今日みたく、ご主人様のお召しがなくて寂しいときに、こっそりここで覗き見するくらいかな」
 操さんが、悪戯っぽい声で言いました。
「ナイショだけど、実はメイドさんのなかにも、こっそり覗いたり、ビデオを観てひとりでシてる人もいるみたいよ…」
 声を潜めてそんなことまで教えてもらいました。
「ムリもないけどねー」
「でも、メイドさんに改まってそういうふうに観られるのは、ちょっと恥ずかしいよね…」
「いっそ、ご主人様のいないときに、一緒にしようって誘ってあげると喜ぶかも」
「メイドさんたち、好きな人多いよね、絶対。でないとご主人様にお仕えできてないよねー」
「そうそう。あ…ご主人様たち、お帰りになったよ」
 テレビの一番近くに座っていた子が、テレビに移った人影を観て、知らせてくれたので、わたしたちはテレビに視線を移しました。
 ご主人様と、ご主人様に肩を抱かれている小さな女の子がいました。女の子は、ちょっとボーイッシュな格好で、ランドセルを背負っていました。もちろん、それはこの子の持ち物ではなくて、オークションでのパフォーマンスの衣装そのままなのでしょうけれど、そのランドセルはやけにしっくりきていました。本当にランドセルを背負っていた年齢なのかも知れません。けれども、その小柄な身体に似合わず、とても大きな胸をもっていました。サイドボードの下から撮っているであろうカメラの画面に目を向けると、そのヴォリュームは確かでした。わたしより大きい…。けっこう気にしてるんですけど…。

 その時、ノックの音がして、扉が開きました。
「ただいま戻りました」
 憂子ちゃんでした。 
「おかえりなさい」
「おかえりー」
「おかえりなさい。おつかれさま」
 みんなが憂子ちゃんを迎えます。
「ただいま」
 憂子ちゃんはみんなに応えながら歩いてきて、操さんと反対のわたしの隣に座りました。
「おかえりなさい、憂子ちゃん」
「ただいま。ご主人様たちは、もう部屋に入られた?」
「うん。憂子ちゃんのちょっと前に」
「わたしは、新しい子に見られないように、ちょっと間を置いて来たから」
「そっか。でもよくみんながここにいるって解ったね」
 憂子ちゃんは苦笑しました。
「いつものことなのよ」
 テーブルの上にあったポットで、紅茶を煎れながら、憂子ちゃんは言いました。
「だって、どんな子が新しく入ってくるのか、知りたいじゃない」
「本当なら、後始末とかお世話は、明日の朝に起きてからでもいいんだけどね」
「紅茶、欲しい人いる?」
 憂子ちゃんが紅茶のポットを掲げて言います。
「くださーい」
「わたしは珈琲にする。夜は長いから…」
 銘々が飲み物を用意して、テレビにかじりつきました。
 いよいよです。




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Date:2009/11/01
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Comment:0
Thema:官能小説
Janre:アダルト

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